予防プログラムの流れ
1
個別のリスク評価から始めます
予防の第一歩は「自分のリスクを知ること」です。虫歯や歯周病のなりやすさは人によって異なります。唾液の量や質、歯並び、歯ぐきの状態、生活習慣など、さまざまな要因が関係しています。
当院では、唾液検査や歯周ポケットの測定、プラック(歯垢)の付着度の確認などを通して、お口の健康状態を詳しくチェックします。また、食習慣や喫煙習慣、ストレス、全身疾患の有無など、生活背景も含めて総合的に評価します。その上で、「虫歯になりやすいタイプなのか」「歯周病の進行リスクが高いのか」などを明確にし、クライアントにわかりやすくお伝えします。
こうしたリスク評価を行うことで、クライアント自身が「なぜ予防が必要なのか」を理解でき、セルフケアへの意識を高めることができます。
2
セルフケアを具体的にサポート
予防は「歯をしっかり磨きましょう」だけでは不十分です。大切なのは、クライアント一人ひとりに合った具体的な方法を身につけていただくことです。
ブラッシング指導 |
歯並びや噛み合わせ、歯ぐきの状態に応じて最適なプラックコントロール(歯磨き)をご提案します。 病気の原因となる細菌の塊(プラック)が残りやすい部分を染め出し液で確認し、歯ブラシの角度や動かし方を練習していただきます。 |
---|---|
補助清掃用具の活用 |
歯ブラシだけでは落とせない歯と歯の間のプラックには、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどを活用します。 それぞれの使い方を実際に手を動かして練習し、正しい習慣として定着できるようサポートします。 |
フッ化物や 歯磨剤の選択 |
市販されている歯磨き粉は多種多様ですが、成分や濃度によって効果が異なります。 クライアントのリスクやライフスタイルに合わせて、最適な歯磨剤やフッ素の使い方をアドバイスします。 |
生活習慣への アドバイス |
予防には、食事の摂り方や生活習慣も深く関わります。間食の性状や回数、糖分の摂取頻度、喫煙や飲酒習慣、さらには睡眠不足やストレスもお口の健康に影響します。 当院では、無理なく実践できる範囲での改善方法をご提案し、クライアントの生活に寄り添ったサポートを行います。 |
3
続けられる習慣を一緒に考える
セルフケアは「分かっていても続けられない」というのが多くの方の悩みです。当院では、単に正しい方法を伝えるだけでなく、「どうしたら続けやすいか」をクライアントと一緒に考えます。
定期的にチェックを行い、プラックの染め出しや写真を使ってご自身の改善状況を見える化します。「前回よりもプラックの付着が減っている」「歯ぐきの腫れが改善してきた」といった成果を実感できることで、セルフケアのモチベーションを維持することができます。
私たちは「完璧にやらなければならない」と思わせるのではなく、「少しずつできることを増やしていく」ことを大切にしています。毎日の生活に自然に取り入れられるように工夫しながら、一歩ずつ習慣を定着させていきましょう。
4
一緒に取り組む予防の姿勢
予防の主役はクライアントご自身です。私たちがいくらサポートしても、日々の生活で実践していただかなければ効果は十分に発揮されません。しかし、クライアントだけで頑張る必要はありません。私たち歯科医院は、伴走者として常にそばで支え、励まし、続けられる工夫を一緒に考えます。
お口の健康は「歯科医院に任せるもの」ではなく、「クライアントと歯科医院が二人三脚で守るもの」だと考えています。
私たちは、クライアントと一緒にお口の健康を守っていくことを大切にしています。
「自分の歯は自分で守る」という意識を持ちながら、私たちと二人三脚で取り組んでいきましょう。お一人では不安なことや続けにくいことも、サポートを受けながら取り組むことで、きっと成果を実感できるはずです。
生涯にわたって健康な歯を保ち、食事や会話を楽しみ、豊かな生活を送るために、私たちと一緒に、今日から少しずつセルフケアに取り組んでいきましょう。
一緒に頑張っていけることを、心から楽しみにしています。